【「ペレット&ストーブ」を導入しています、しませんか・・・】

~札幌の教育施設における温暖化防止の取り組み~

    都会でできる温暖化防止対策

今日、地球温暖化がもたらす様々な環境破壊が問題となっています。温暖化の主要因となる二酸化炭素=CO2は、産業活動・運輸交通の車両・家庭生活などから発生しますが、北海道や北国では、とりわけ冬期間の灯油を中心とする暖房によって他の地域よりも多く出されるため、その対策としては暖房機器や使用する燃料(さらには住宅構造)を変更・改善などが必要です。また、灯油や石炭などの化石燃料(かつての動植物などに起因する)は、燃焼時に多量のCO2と硫黄分を発生すること、資源そのものが再生不可能であり加えて輸入に頼ることなどにより、将来にむけて安定的なものではありません。(尚、原子力も技術面・廃棄物処理法・埋蔵量や震災対策などがネックとなります)

今、化石燃料に代替する資源を、それも国産の、出来れば地元や近隣地域で産出する資源として作り出し利用することが求められています。この記事は、札幌市内で実施している自然エネルギー活用のレポートです。

 

 

    ペレットは木質バイオマス資源

ペレットは、工場の木屑や間伐材など樹種の明確な木材を破砕したオガ粉を長粒状に成型したものです(*1)。木(農作物や草など植物も同様)の生長過程でCO2を吸収し炭素を固定させるので、それを燃料として燃やしてもCO2を余剰には排出しない(=カーボン・ニュートラル)し、植林等により繰り返し再生可能なエネルギーとして位置づけられています。

薪と較べて、“着火が容易、火力調節も簡単、灰も少ない”という扱いやすい利点があります。水分10%程度に乾燥しているため、着火後の安定燃焼時には煙はほぼ湯気のように透明になりススもほとんど出ません。また、オガ粉が固まるのは木の成分であるリグニンによるもので、化学物質を使用していないため、灰を肥料として畑や園芸に使用することができます(*2)。

 

    全館をペレットストーブに切り替え

 NPO北海道自由が丘学園では2年前からペレットストーブを導入しています。特に、昨年度は3階建ての各フロアに4種類を配置して、冬の間を通して稼動させました(**3)。建物面積約120坪のシーズン使用量は、「2,450kg」でした。これは、CO2換算で、「2.1トン」に相当します。

05年度は約2,000kgCO2は約1.6トン。2年間累計3.7トン。但し灯油で計算すると、1冬にドラム缶10本=1,800リットルのCO2は約4.6トンであり、2年分では約9トンとなる。←熱量70%で換算)

今年も、10月下旬より使用開始。ペレットも薪と同じ素材ですから、燃やしていると木の香りが室内に漂いログハウスの気分!? また、木の水分により空気の乾燥を抑えることで、のどに良いというメリットもあります。(実際は、各ストーブにさらにやかん・蒸発皿を使用)

 

 

    ストーブの種類別特徴

自由が丘センターには、1階事務室にFF型①、2階前方には電気不使用型②、奥の音楽室に煙突型③、3階教室にもうひとつの煙突型④の4種類があります。いずれも、ガラス面から燃焼の炎が見えて石油ストーブとは雰囲気の違う暖かさをかもしだしています。

FF型』は壁置きで場所をあまりとらず給排気管も1.5m程でよい煙突型』は設置しやすく操作も容易『電気不使用型』は薪ストーブのような手ざわりの感覚、などどれも個性的であり、予算的にも10万代~40万代とバラエティに富んでいます。機種コメントは別記事にて。

注1:燃焼力は灯油比較Kcalでは約50%だが、一度温まると“木の温もり”による遠赤外線効果などにより、

灯油の7~8掛け位は期待できる。シーズン使用量は1軒家ではおおよそ2~3トン(10kg袋で200~300袋/5~6ヶ月。1ヶ月換算30~50袋/住宅構造や設定温度により差異)

 

 

注2:使用する木の部位により、ペレット製品はバークペレット(樹皮使用)・ホワイトペレット(木部使用/工場木屑など)・全木ペレット(両方使用)に区分。価格はバーク→全木→ホワイトの順に高くなる。(参考:工場出荷地域@約40円/kg、+配送費用加算)また、灰は使用燃料の約0.3~4%の範囲で発生。(100kg燃焼/バークで4kg、ホワイトで300g。1シーズンでは、2000kg×0.3=6kg) 

 

注3:従来は灯油によるボイラーと個別ストーブ暖房。昨年度は基本をペレットストーブに切り替え。平日は、日中は朝9時位の~夜7時位。土日は、不定期(従って民家の様な夜間通し使用はなし)。但し、休み明けや最初の部屋が暖まるまでなどに部分的に灯油ストーブを使用。

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ペレットストーブの機種別ガイド

 

◇①:K農機具メーカー製。FFなので壁置きできるが配管の口径は10cmと太い。正面の開閉扉の耐火ガラスが大きいので暖炉ムードのデザイン。側のタッチパネル操作は簡単。ロストルの灰掃除を毎回きちんとしないと着火不良の原因となる。ペレットの種類により風量・燃料供給量等の設定を変更できる。火力=熱量は他製品と較べて普通レベルで、居間用に薦められる。(高気密住宅はFFであっても空気補給が必要かも知れない)

 

◇②:電気不使用の薪ストーブ兼用タイプ(実際は住宅地ではペレット専用がベター)。兼用のせいもあって、口径は5寸煙突。上部ペレットタンクから燃焼した分が送られる構造で、燃焼する場所の幅と空気量により火力を調整する。室内の空気を吸気するため、外部空気取入れ口がないと(特に新築の家では)燃焼不良となる。点火は灯油添付か文化焚付けなどの工夫がいる。

    全身鉄製・正面扉が鋳物で出来たユニークなデザインで、昨年の需要No.1の人気商品。居間にもログハウス・別荘にもフィットする。停電や災害時にもOKの優れもの。

 

◇③:Y農機具メーカー製。煙突口径3.5寸なのでポット式石油ストーブ利用者には壁工事なしで取り付け可能(集合煙突もOK)。その煙突が本体後部から出ているため、壁から離した位置に設置する。長四角柱の体裁や大きな耐火ガラス面は、ゆったりとした安定感を醸し出している。操作はきわめて容易であり、燃料切れや加熱センサーなどの機能面も十分。居間はもちろん、多様な空間にフィットする。熱量は上記2種より上回る。(別途、上位機種あり)

 

◇④:③のメーカーの初期タイプの改良版。煙突口径3.5寸。一見して「一時代前」石油ストーブのようなデザインだが、国内製品では最大熱量(上記各種の約2倍!)を誇り、事務所や工場にも向いている。ストーブ周囲が加熱するので壁から離して設置。操作は上記同様にタッチパネルで簡単だが、上部からのロストル掃除の際に手が届きにくさあり。普及のため価格は②に次いで安い。(居間用には余り選ばれないが電気使用型では一番ポピュラー。)